江戸時代も半ばになると、本膳料理は、その複雑な様式のため徐々に衰退し、婚礼などの特別な儀式料理や、節供料理として、その姿をとどめるだけになっていきます。
一方、今まで一般の会席料理(茶の湯における会席料理と区別する)が、作法にとらわれずに気楽にどうぞということで、本膳と会席料理の双方のいいところをとって生まれました。
茶の湯の会席料理に「懐石」に字が当てられるようになったのは、この商売としての会席料理が登場して、茶人がその混同を嫌ったためといわれています。しかし現代では「懐石」が乱用されて、利休の精神を見直す意味で「茶会席」という言葉が使われるようになったのは、面白い現象です。